ひんやりとした風が走り、空が薄い鉛色に変わり始めた三時頃、このバラに出会った。アンネフランクの父・オットーが、友情のしるしとして、あるキリスト教団に寄贈した「アンネの形見のバラ」の名で呼ばれる新種のバラだそうだ。用賀のとある教会、「日に日に色を変えるんですよ、またいらして下さい」 優しく落ち着いた声に、撮影の手を休め頷く徒然子であった。
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