1999年8月31日 No.58

 早朝、朝刊を読もうと外に出ると、マンションの階段には、気の早いケヤキの葉と、死期の近づいたセミ。七年間は土の中、七日間の地上での一生を哀れまれたりもするが、生まれてこの方、見知った人・土地のいかほどかを考えると、人間とてそう広い世界を知っている訳ではないような・・・。筆者にその想像力はないが、七年と七日のセミの一生も、同情されるような貧しいものではなく思える、真夏の逆襲な一日だった。

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