星陵フィル第24回定期
 
星陵フィル 第24回定期演奏会
大田区民プラザ大ホール
指揮:小林幸人
演奏:星陵フィルハーモニー管弦楽団
曲目:ベートーヴェン 交響曲第5番  チャイコフスキイ バレエ「眠りの森の美女」より
観客:ほんとうに多数
 昭和48年卒の野村と申します。本日の演奏会の感想です。
よろしければお読みください。 クリスマスの休暇(日本では天皇誕生日という)に「眠り姫」を聴けるのは、何と素敵なことか。特に、リ・チューニングでピッチを整えた後半は、いろいろな音楽が、聴こえてきた。お菓子のプチフールみたいに。この音楽、元々、バレエ音楽としては、「もう1つのチャイコフスキイの胡桃割人形」などとくらべてみても、たいそう演奏の難しい、代物で有名。
 指揮者 小林氏の手のおそろしく長い、柳のような指揮ぶりは、あえていうなら、フルトヴェングラーがバレエ音楽をやっている!ようだった。そして、飛翔する様は、そうだ。彼=指揮者が、バレエの踊り手になっているのかもしれない。
 trpや、hrと同数のvc。人数が多いのにとても軽い音を出していたcb、高校時代をもろに彷彿させる弦楽器群。あの頃から管の方が集まりがよく、弦付きブラスなどと言われたものだ。
 でも、考えを変えてみれば、オーケストラがバレエを演奏するために、オーケストラピットにいる時、左手に弦、右手に木管、金管、打楽器の並びでは、あのキーロフのバレエだって、ずいぶんとアンバランスな編成なのである。
 ゲルギエフの輪郭のはっきりとした太い演奏に対し、星陵フィルは、それはそれで、とても強い個性をもっていた。とても柔らかい音だった。大人しいともいうけれど、あえて柔らかいといおう。例のピッチを確認した後、楽器たちは、本来の音を取り戻し音のふくよかさがでた。もしかすると、あの「ピッチの確認」の前と後で、違うピッチ、(それも最初がやや高めのピッチ!)演奏している方よりも、聴いている方は、2種類の音を味わえたような気がしたのだった。音楽は不思議なもので、聴くよりも演奏する方がおもしろいにきまっています。
 でも「クリスマスの休暇」で「眠り」を聴けたという満足は、手作りのちょっといろいろあったけれど、気持ちのこもった音楽の方が、ずっとずっと幸せになることを示してくれています。(時間の都合で、運命が聴けず、不覚!残念!)いい音とは、常に人がいて、自分の側で鳴ることだと思います。究極のピッチ/テクニック/アインザッツ/バランス/キレがなくても、チャイコフスキイの音楽のほんの一瞬の輝きではありますが、片鱗が鳴ったように思ったのは私だけでしょうか?願わくは、この「片鱗」と「片鱗」が合わさってくれればよいと思います。でも、今でもその「片鱗」を、気持ちの中で自分で融合することによって、美しきものへの統合がおよそ、自然に行われてしまう。これもおもしろいです。
どうもありがとうございました。お疲れさまでした。

Date: Thu, 24 Dec 1998 00:55:50 +0900
Subject: [seiryo:02476] 星陵フィル第24回定期