「プラハで出会った不思議な人々 」

 97年5月プラハで出会った不思議な人々
 権謀術数うずまく、古いヨ−ロッパ社会、プラハ。
 これはきっと面白い小説がかけそうです。あくまでフィクションです。 念のため。
 登場人物 イギリスのオケはどうもふる気がおこらないとのたまう、 自分勝手もはなはだしい日本人指揮者、だったら、自分たちのあの どうしようもない古いスタイルの演奏をいいという感覚はどこにあるんだ! これに輪をかけて自分勝手な超お金持ちのお嬢様の女房。
 どうしようもない人間たち 日本の大クラシックプロモ−タ−様ご一行  中には特選品街の黒いショ−ルをはおる、歳とった気位高き貴婦人たち、 大音楽ホ−ルの支配人 結局この旅で買収されそう。
 チェコを代表するオケをのっとろうと画策するユダヤ人社会のやり手婦人 、彼女は昔昔共産圏のスパイとしてアメリカで活躍した実績をもち、 チェコの政界に顔がきく。政府から派遣されたチェコを代表するオケのディレクタ−は、予算不足と人間関係にひたすら悩み、こちら側との 和解のタイミングを図る。
 イギリス人で、元チェコ駐在大使の父親をもつやり手マネ−ジメント会社 の代表者。なんとかして自分のもちごまである、某大音楽家の地位を保全 しもって、これからの若いア−チストを押さえていこうと権謀術数をめぐらす。 彼は革命の後、イギリスに逃れた幼児体験をもつ。 彼は実に鋭い先見の明を持ち、常に新しい音楽家を物色。 これを世に送るという仕事をしている。しかし、某メジャ−クラシック・ レ−ベルの縮小と撤退の憂き目の中でこれからの方針転換を図ろうと 模索している。
  チェコを代表するオケの中の人間模様。 当地の元音楽監督にして、ドイツ人ゆえに、逆差別を受け、 音楽監督の地位を追われたかわいそうな人間。起死回生の気持ちを持つ指揮者。 当地の首席指揮者にして、権謀術数をうまく泳いでいるとされるも、 実際は皆のごきげんうかがいに忙しい小心者の職人指揮者。 チェコを代表するプレ−ヤ−にして、お金しか興味のない某金管楽器奏者。 彼は今やギャランティ−の件で、ベルリンフィルからのさそいを断り、 ドイツの代表オケのメンバ−になっている。同じくチェコを 代表するオケのメンバ−にして、ものすごい音の持ち主。女性には めっぽう目がないがとても気のいい単なる音楽馬鹿  チェコを代表するオケのメンバ−だが、元秘密警察のスパイ 共産党の衰退により、どうしようもなく立場の悪くなった古い世界の人間、 彼の顔は今や非常にいつも浮かない。
  アメリカ ニュ−オ−リンズの 田舎出身にしてプラハの歌劇場で、副指揮者を務めるおたく的青年。 もちろん収入はごくわずかであり、いろいろなところに顔を出している。 よくいえばケルビ−ノ的存在。彼はお金持ちで、アメリカからの仕送りで生活。
 スロバキア出身にして、ドイツの音楽専門養成機関、 デトモルト大学に学び、音楽プロモ−タ−科を出て、 日本になんとかくいこもうと必死に接待攻勢をかける室内オケのマネ−ジャ−。 彼女は若いがどうも妊娠しているらしい。 今度はチェコフィルをドイツとの問題で音楽監督の地位を追われたアルブレヒトを 指揮者に迎えて、何とモ−ツアルトの新版の全集を作ろうとしている。ベ−レンラ イタ−版のそれ。一緒に近くのイタリアンレストランというよりは、ピッッツェリ アでスパゲティを食う。同席したバイオリン奏者の  氏はいかにも実直でいい人 まるだし。アルブレヒトは12の音色をもっているという。特に交響曲第38番 「プラハ」は大事だけれど、でもいいよなあ。自分たちの曲がプラハにはあるのだから。