現場にはもう人影は無い。時は昼下がり、夏思わせる陽射しは強く、暇を貰った鉄たちは、どれもが触れれば心地良いやけどを頂戴できそうなくらい。用済みのコンテナの上に、それらが高く積まれたのは、恐らくはスペースの故。例えば、旧約の塔、天の高みに届かんとするは、設計者の仕業。労働する者のそれではないはず。
雲流れ、日が陰ると、風はもうさらり。箱の上、資材は堆く、秋空は更に高く
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