美術館の庭に夕暮れの冬空がやって来た。 駆け抜けることが気持ち良いのだろう、とさえ思うくらい、 その冷たい風の通り道で、スローモーションのように顔を上げ、暫しその空と対面する。 そして、間もなく、きりりと冴え渡る紺青の空に、輝く一番星が目に入る。 さぁ、帰ろう。贈り物を持って。