予報は外れ、氷雨が上がった。 やめることもできた所用は、清々しい外出に変わった。 大気はすっかり乾き、熱こそ強くはないものの、影は強し、光の本質では決して夏の陽に劣ることはない冬の陽が、短い午後を謳歌する。 すると、うつむき加減に歩く上の空を呼び止める声。その偶然に珈琲一杯の祝杯を挙げる。銀座良いとこ、一度はおいで。