間もなく月光は全てを覆い尽くす。
 来るべき時の予感に、胸焦がす者、奮わせる者、踊らせる者。 待つべき者は、皆その時を待っていた。
 やがて、その者たちにしか聞こえぬ、竪琴の音が静かに響き始める。
 しかし、耳をそばだててはいけない。
 もし、その音が聞こえたなら、二度と帰っては来られなくなるから。

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