その音さえ聞こえなかったら、街はなんら普段と変わる所は ないように思えたかも知れない。
 しかし、サイレンは鳴った。
  「第三レベル警報が発令されました。市民はシェル内に待避して下さい。迎撃アンドロイドは直ちにアタックスポットへ。繰り返します・・・」
  シティをカプセルがすっぽりと覆ってしまうと、さっき知り合ったばかりの彼女が言った。
  「ごめんね、あたし、行かなくちゃ」

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