蔦の家では来客を待っていた。

 「都也子さぁん、お茶請けはどうしようかしら」
 「この間の頂き物、まだあったかしらねぇ・・・都也子さん」
 「ほらぁ・・・あれよ、あれ」
 「桃色の可愛らしくて小さいの、まだあったわよねぇ」
 「ねぇ、都也子さんったらぁ」

  「これかしら」
 手近にあった小箱を、ヘルパーさんがとって見せると、老婦人はやっと安堵の笑顔を見せた。

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