西街区・馬具屋通り42番地、階上の骨董店が指定された場所だった。 取引の時刻に指定はなく、只、店の窓が輝き出す頃・・・だとさ。 依頼人の姿も、取引相手の素性も分からないのには慣れたが、 これじゃぁ、張り込むしかなさそうだ。 待つこと丸一日、向かいの旧市庁舎の隙間から西日が突き刺さった。 ちぇっ、手間かけやがって・・・。