その光景を見る事ができるのは希だ。
 そして、二人の人間がそれを同じく同じ時に見る事ができるのも。
 つい発してしまった妻の一言に琴線が響かなければ、 夫は二人に同じものが見えているとは、気が付かなかっただろう。 それは妻にとっても同じだった。
 とある昼下がりのこと、二人は思い出を眺めていた。

121
   
122
<



All Rights Reserved. Copyright (c) Satoshi Shimada 2004