約束の橋のたもとまで来ると、小人に似た変な奴は言った。 「さ、俺の名前を当ててみな」 「ま、当たるはずもないけどな」 「当てられなかったら・・・?」 「お前はいつまでたってもそのままさ」 灰色の熊が、さっきミソサザイに耳打ちされた、その舌を噛みそうな長い名前を一気に言い終えると、その変な奴は悔しそうな声を上げ、黒い影となって消えた。そして、森の獣の姿も失せて、そこには一人の王子が立っていた。