Opus.9
A journey

 駅前広場で、バグパイプの音高らかに響かせる正装の男子は、スコットランドからの旅人、ユアン・マッキントッシュ君。恵比寿駅での所用、停めた車のドアを開ければ、耳慣れた街の音に混じって僕の耳に届いて来たのは、彼地の勇壮かつ哀愁帯びたマーチングメロディ。音の主を見つけ、一曲楽しんだ所で拍手&コイン、そしてアイコンタクト、パイプをくわえながらの頷きが返って、撮影は始まった。頃合いを見計らい、自己紹介とWEB掲載の承諾を貰い、駅での用事を済ませ、現像所へ直行、とんぼ帰り、出来たてのデジタルプリント二枚を驚きの笑顔と交換。残り一ヶ月となった三ヶ月の彼の旅、トランクの中には小銭と・・・エピソードも入ったかな? もちろん、人生という旅を往く僕にも、物語が一つ。


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