Opus.11
A profile

横顔

　街の姿を正面から捉えることは難しいが、その横顔は豊富で様々だ。人の顔、見慣れた正面でなく、その横顔に意外な魅力を発見したりすることがあるのは、きっと習慣や、はにかみを軽やかにほぐしてくれる、某かの真実が伝わるからなのかも知れない。小さく古いが、街と生活を共にする家、八百屋のあるアーケード、半地下に隠れた私鉄の踏切跡、小高くなった道を往く人と秋の日差し、そして、なくなった建物の恩恵、知らなかった午後の陽をお腹一杯に味わう、洗濯物と布団、モルタルの壁。第二京浜国道にほど近い、品川のとある街の姿、この四つの横顔に託してみた。