Opus.13
A passing people on a bank

堤行く人

 深まり行くある秋の日の午後三時過ぎ、多摩川・堤沿いの道は、多摩方面からの馴染みの復路。しばし車を停め、川の眺めと風を味わおうか。堤に上がれば空広く、行き交う人は様々で面白い。自転車に跨り風と行く彼の背景は、夕暮れ近づく逆光の空。広々とした場所を駆け回るのは好み、犬とボールが、主と共に河原へと向かい、帽子の素敵なシルエットのご婦人は、片手に本を抱え読書から帰る。そして、すっくと伸びた両足、歩きのプロを思わせる初老の男性は、日課のウォーキングだろうか、その行き先に、確かな明日を感じさせてくれた。


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