Opus.23
The winter in my neighborhood

里の冬

 大雪の数日後、里は好天に恵まれた。踏み固められ、氷になろうとする日影の残雪の上には、中庭の欅と楠の葉が並んで舞い降り、向かいの露天駐車場、生産緑地と称する猫の額ほどの畑では、凛とした葉の大根が頭をもたげ、清々しい陽光を一心に浴びている。そしてその畑の縁、溶けて行く雪の先、陽をはね返すそれは小さな水たまりは、まさに水温む様・・・。
 確実に日は伸び、光だけはもう春のようにも感じた一日、しばらく歩くと梅に出会った。


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