アフガニスタンを旅したのは、1975年。 戒律で禁じられていた写真撮影が3年前にやっと開放され、人々にカメラを向けることができるようになった時だった。 鉄道がないこの国を旅するには、バスが乗り合いトラックを使うしかなかったがそれがこの国を旅する魅力でもあったのです。 北の国マイマナでは一人の学生と親交を交わした。 余りにも日本と違う文化にとまどっていた私に、彼は暖かい声をかけてくれた。一緒に映画も見たし、家にも招いてくれた。 皆貧しかったが、静かで穏やかな生活を送っていた。 彼は今どうしているのだろう。 そんな思いから28年前の写真をひっぱりだしました。 ソ連のアフガニスタン侵攻から23年の長きにわたる戦争で私の知っているアフガニスタンは、おおきく変わりました。 そして現実はまだまだ厳しい状態が続いています。 そんなアフガニスタンの人々が一刻も早く平和な暮らしを取り戻すことが出来ることを願い、この写真展を開きます。 2003年 6月19日 岩間史朗