勘の良い方はもう分かったと思いますが、まずは輪になった全員で、最初の一行を唄います。これは問いかけですね。続いてそれに答えるように、今度は最初に決めておいた誰かが一人で「・・・○○がある」と唄う訳です。
そして、その○○を受けて、全員で唄う次ぎの問いかけが三行目。四行目になるその答えの歌詞は、最初に一人で唄った人の隣りの人が唄い、また皆が唄いと、斉唱と独唱が交互に、ソロは一人一人順番に唄って行くという訳です。
つまり、自分の順番が来る直前には、皆と一緒に「○○のむこうに何がある〜」と唄いながら、むこうに何があるのか、その答えとなる歌詞を考えながら唄う訳です。事前に考えておく事はできないので、その僅かな間、メロディーに心地よく乗りながら、でも頭は巡らせて、アドリブなノリで楽しめる所がなんとも良いのですね。
誰もが連想する安堵で和む、予想通りの歌詞になったり、思わず口をついて出てしまったものになったり、ウィットやユーモアの効いた意外な繋がりになったり、個性や場の雰囲気も反映して、音楽と知性とが機敏さを携えたその風情は、俳句の祖型となった日本文化の珠玉「連歌」にも似て、素晴らしい歌遊びだと僕は思っています。
歌は、自分の趣味とばっちり一致してしまったある本の撮影で伺った、 「ロバの音楽座」というグループが主催する、
「ロバの学校」という、いわゆるサマースクールで、教えてもらいました。
それでは、そんな経緯や背景に思いを馳せて頂きながら、写真の「山のむこうに」どうぞ、お楽しみ下さい。
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