WEBを見てくれた山好きの友人が、この同姓同名?のカンティガという山の名前の由来について調べてくれました。許可を得ましたので、以下全文を転載します。
Kangtega(6809m)、日本語で書くと「カンテガ」というちょっと味気ない表記になってしまいますが、まずは、英語表記を読んで、発音にこめられた感触をお楽しみください。
Kangtega (6,809m)は、ネパールヒマラヤのクーンブ山群に属する山で、エベレスト(チョモランマ)の南西に位置しています。この地域の山麓には、チベット系のシェルパ族が住んでおり、文化的にもチベットの影響を強く受け、チベット仏教といわれるラマ教が信仰されています。このKangtegaは、双耳峰(そうじほう)と呼ばれる2つのピークから構成されています。北面の麓にあるテンボチェの村からこの山を眺めると、ラマ教の中心であるテンボチェ僧院のすぐ後ろに、北斜面の険しい懸垂氷河を望むことができます。
いっぽう頂上付近は、北斜面とは対照的に、美しい雪のプラトゥ(台地状の緩やかな雪の斜面)で、二つのピークが鞍部を隔てて位置しています。
頂上(ピーク)
↓ ↓
/\ /\
/ \/ \
/ ↑ \
鞍部(コル)
*鞍部(コル):山のピークとピークの間にある低いところ、形が馬の鞍に似ていることから鞍部と呼ばれる。この鞍部を越える道が「峠」。
さて、このKangtegaという山名は、北面からこの山を望んだ姿に由来するチベット語で、Kangは雪、tegaは馬の鞍という意味です。日本語で表記するときは、「カンテガ」が一般的ですが、山名の由来をより正確にあらわすために「カン・タイガ」とすべきであるという説もあります。かりに、漢字で表現するとしたら、さしずめ「雪鞍岳」といったところでしょうか。
この山の初登頂は、1963年6月、エベレストの初登者であるE.ヒラリーの率いる隊によってなされました。なお、頂上までのルートには、北面の急峻な雪稜を避けて、南側のヒンクー谷から回り込むルートがとられています。
□ 参考文献
・深田久弥:『ヒマラヤの高峰』第3巻、pp.268-279、1973、白水社
・山田圭一・薬師義美:『白き聖地ヒマラヤ』、pp.83-90、1982、講談社
|