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今となっては珍しくないが、子どもの頃、バラで装われた家は少なかった。小学校への通学路、アーチ型のフェンスには赤いバラが絡まり、フェンス越しの小さな庭には緑の芝生、季節になれば、淡い色のスウィトピーがひらひらと風に揺れる、そんな家が一軒あった。学校でただ一人、紫と白のスペリオパイプが眩しかった憧れの上級生の家だった。バラ・・・エピソードを作らずにはおかない花なのかも知れない。 |
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