1999年12月13日 No.135

 亀が言った「君は兎と競争したことあるかい」
「いやぁ」蝸牛が答えた。
「僕は兎に勝ったんだ」亀は自慢した。
「そいつはすごい」蝸牛は驚いた。
「どうだい僕と競争してみるかい」
「それは光栄だ」
二匹が競争を始めて暫くすると、雨が降ってきた。亀は水たまりの中へ、蝸牛は程良く濡れた大きな葉の上へ。そしてそれぞれ休み始めた。二匹とも競争のことなど忘れてしまった。良い人生だった。

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