いろはにほへと その三

空色
「秋」

言葉は通り過ぎていく風のように
心はうつむいてガラスに映りこむ
いつかの空は君の心のどの辺に今でも青く広がっているのか
教会の尖塔が高く空を指差し
いつしか空は秋の装いを整え
虫たちの声も昼よりも夜にその主役の座を譲り渡した
きっと季節は変わりなく移っていく
取り残されるのは僕

昨日の月は夜半過ぎに昇った
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